測量士を一昨年、取得しました。ちょうど50歳になる歳に取得です。
技術士取得も一服して、資格試験の順番という点では、いまさら、逆じゃない?なのですが、これが非常にためになったという話し。
若手、もしくは、まだ取得していない方、受験絶対お勧めです。決して「資格を取る」にフォーカスするものでないです。測量は、土木にとっては、本当にイロハのイです。
また、測量技術は、既設基準点からのトータルステーション頼みの測量から、GNSS測量、レーザー測量中心の技術になってきています。これに伴い、出題傾向も変化し、新しい測量技術を学びながら資格を取得することになります。このことが、お勧めする理由になっています。
これ以上、説教じみた老害はうっとおし過ぎますので、紹介していきましょう。
1.測量士取得手順
まずは、測量士になるためのルートを見てみましょう。

要は、この2ルート
1)測量士補 ➡ 測量士
2)受 験 ➡ 測量士
間違いなく、1)測量士補 ➡ 測量士 が非常に多いと思います。測量士補は、大学等の一定の条件の単位履修を行えば、申請で取得でき、さらに実務経験を申請して測量士になれます。つまり、無受験で測量士になれます。実務経験年数は、以下のとおり。
・大学卒業者:実務経験1年以上
・短大・高専卒業者:実務経験3年以上
本当に、現場で実務経験を積んで取得した人はいいと思いますが(少ないですが何人か知ってます)、実務経歴やった体で申請している人、結構いますよね。
まぁ、別にそれは人、人それぞれでいいのですが、そこは敢えて受験したほうがいいのです。
あと、測量士補は、眼中になくていいです。学習内容、一緒です。ステップいらねえ。
問題が、測量士補→測量士、測量士→測量士補、こういうことがしょっちゅう起こっています。難易度は、士も補も遜色ないのです。むしろ、補で出た問題のほうが難しいということがあります。私も、補から上がってきた問題が出てて、分からなくて落としました。
2.測量士受験スケジュール
1)受験資格
・不問:学歴、年齢、性別、実務経験及び国籍に関係なく受験できます。
2)受験料
・4,200円
3)スケジュール
・申込期間:1/5~1/22(令和8年を例)
・受験日:5/17
・合格発表日:7月9日午前9時
このようになっています。技術系の資格で、受験資格不問はめずらしいです。
また、国家資格にかかわらず、受験料、4,200円は破格です。安すぎるので、そのうち上がるでしょう。
試験日程は、申し込みが1月中旬という、変わった時期ですので、見過ごしがちで注意が必要、す~ぐ終わります。受験日が5月というのも、われわれ、測量業、建設コンサル業の人間にとって、1月~3月が繁忙期ですので、いつ勉強すんねん?です。そう、年度開け4月に猛ラッシュで勉強です。おそらく、こういうことから、受験者が異常に少ないと推察されます。
3.取得メリット
そんなには、ない。勉強を通じて、知る!という学びを血肉にすることが本来の目的です。
とはいえ、取得したらなんか得?、ということですが、
・測量法第55条の13では
「測量業者は、その営業所ごとに測量士を1人以上置かなければならない。」と規定しています。
独立して、測量業が営めます。
・入札資格審査:測量士の加点を得られる。
・CPD取得単位:な、なんと、一撃で20単位取れます。
ただ、業種登録としては、測量業と建設コンサルタント、または地質調査業のように兼務できません。こういう点では、メリットなしです。
この中では、CPD加点のメリットが大きいような気がします。一撃20単位は、技術士、一級建築士と同じ扱いになってます。1回講習会参加しても、せいぜい2単位程度のこと考えると、大きいですね。これは、実務経験申請のみでの測量士取得ではもらえません。CPD単位取得には合格証書の添付が必要です。

4.難易度
1)合格率
難易度を見るには、統計情報を見てみましょう。アガルートさん調べです。合格点数絶対試験ですので、5.2%、6.4%、7.7%、8.3%
| 年 | 受験者数(人) | 最終合格者数(人) | 最終合格率 |
| 令和7年 | 3,703 | 1,487 | 40.2% |
| 令和6年 | 3,717 | 485 | 13.0% |
| 令和5年 | 3,667 | 379 | 10.3% |
| 令和4年 | 3,194 | 460 | 14.4% |
| 令和3年 | 2,773 | 498 | 18.0% |
| 令和2年 | 2,276 | 176 | 7.7% |
| 令和元年 | 3,232 | 479 | 14.8% |
| 平成30年 | 3,345 | 278 | 8.3% |
| 平成29年 | 2,989 | 351 | 11.7% |
| 平成28年 | 2,924 | 304 | 10.4% |
| 平成27年 | 2,739 | 315 | 11.5% |
| 平成26年 | 2,394 | 290 | 12.1% |
| 平成25年 | 2,457 | 127 | 5.2% |
| 平成24年 | 2,247 | 265 | 11.8% |
| 平成23年 | 2,162 | 258 | 11.9% |
| 平成22年 | 2,256 | 144 | 6.4% |
おぅ?、令和6年まで合格率10%前後、結構難しいじゃん、と思うところ。でも、冷静に考えれば、文系の資格と同じで、経験、学歴不問の受験資格。数字ほど、恐れるほどでもない。
と偉そうなこと言いつつ、1回は落ちています。
★受験戦績
・令和5年:合格率10.3% 不合格
・令和6年:合格率13.0% 合 格
不合格の場合、以下のように具体的な点数が通知いただけます。20点足りてません。100点満点換算で1.4点でした。合格すると、何点取ったかは不明の通知書です。

それにしても、この中で特筆すべきは、令和7年の合格率40.2%。この年は、滋賀の測量設計会社さんから聞いた話ですが、「国の測量士の絶対数が足りていない」ということらしい。現場のできる測量士が足りていない、という本質とは思うのですが…。来年もこの傾向は続くのでしょうか?
絶対試験ですので、合格点数とった人が全員合格となるので、合格率が大きく上下する可能性のある試験です。令和7年のようなことが起きますので、願書を出した人はとにかく受けに行くことですね。
あきらめずに受験を続けた人、たまたま初年受験にあたった人、おめでとうございます。
2)合格基準
試験は、午前中の択一、午後の記述式からなります。
合格基準は、一昨年の私が合格した年から、午前中の択一で足切りができました。午後採点には人の手がいりますので、負担軽減が図られたものと思われます。
・午前 450点以上/700点(28問×25点)
・午前、午後の合計 910点以上/1400点(3科目)
この両方を満たすことです。
5.試験内容
1)試験方法
試験は、午前と午後に分かれます。
・午前:択一式28問 カットライン18問以上
・午後:記述式
2)試験科目
測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
多角測量
汎地球測位システム測量
水準測量
地形測量
写真測量
地図編集
応用測量
地理情報システム
午後は、必須科目1問と選択4題のうち2題選択となっています。①測地測量、②測図測量、③地図編集、④応用測量このうち2科目選択となっています。私は、コンサルなので、②測図測量と④応用測量を選択しました。
ここで、強調したいのは、④応用測量選択はマストと提案します。
応用測量は、実務に即しているものが多い上に、何といっても楽しいです。土木屋があまり知らない、土地家屋調査士、司法書士さんたちがやっている、民地用地測量って何しているのか?も分かってきます。また、座標法による面積計算、クロソイドの計算、河川測量の世界、こういった世界も見られます。
6.試験対策方法
資格試験なるもの、すべてのことですが、過去問題を回しましょう。それにつきます。
まずは、計算問題ばかりを抽出して、こればかりやりましょう。計算問題がキーです。すべて、できるようにしましょう。
もともと、持つべき基本スキルは、以下の内容です。微分積分等がいるというわけではないので、そんなにハードルは高くはないです。
・三平方の定理
・正弦定理、余弦定理
・三角関数:ベクトルの補正
1)午前 択一式
計算問題は、100%いきましょう。パターンが決まっていて、可能なのでこう言ってます。
暗記問題は、ほどほどで。
2)午後 記述式
午後の記述式は、一定程度の速記力が求められます。書きなぐっても、すべての解答欄埋めるのに時間がカツカツです。必須問題が、得点源にしやすいとも言われてますが、法規中心なので、面白くないです。選択問題とれるように頑張ったほうが、保険になると個人的には思います。
一般には、午前択一 8割、午後必須 8割 で先行逃げ型が定石のようですが、これは単純に合格するためだけの目的でのノウハウなので、午後の選択問題もしっかりやって、あくまで測量士受験をとおしての実務上役に立つ学びの場としましょう。
7.受験の心得
2,3回ぐらい受けなおしても価値あると感じました。
ゲーム感覚で楽しむ。遊びましょう。
これにつきます。特に、計算問題ですね。
コツをつかんだら、ジャンジャン、バリバリ、電卓連打で答え合わせしましょう。学生時代の数学とは違って、面白いです。ひょっとすると簿記の電卓術に近いかも?。もしくは、そろばんの「ごめいとう」感覚です。
正解に次ぐ正解、「オモローーー」、競技的になっていきます。
暗記ものは、クイズです。クイズ感覚でやっていきましょう。さすがに、本質が分かるまで、一巡目は苦しいですよ。
最後に余談ですが、測量士受験者は、現場では、「箱尺」「スタッフ」と言わず、「標尺」と言いましょう。1級と2級では使うモノも変わりますよね。身近なところで、こういう知識も備わってきます。
それでは、具体的な計算問題と解答プロセスを、別の回で何問か紹介するとしましょう。
